『音楽をつくる可能性』
本書の特徴
本書は、作曲において大切なものに気付き、目を向け、そしてそれを身に付けるために役立つ、具体的なアドバイスや実践法が書かれた稀有な本です。基本的に西洋音楽を土台としていますが、その理念は分野や国籍を超えたものとして読むことが可能です。
音楽教育書という体裁を採っているため、教える側と教えられる側の双方の立場から読み込むことができ、この点が結果的に初心者から上級者まで幅広く対応できるという特徴につながっています。
ブック・レビュー
世間では色々な「作曲ガイド本」や「作曲技法書」の類がありますが、思うに、本書ほど技術と心のバランスがとれたものはないのではないでしょうか。ひたすら技術を伝達しようとするのではなく、また、「自由に、自然に、思うがままに」と無責任に後押しするだけでもなく、体系的に「音楽をつくること」について書かれています。
本書のスタイルは、音楽教師に向けた「音楽教育の手引き」です。しかし、著者が教師に向けたその言葉は、そのまま私達に対しての問い掛けとなり、ヒントとなり、視野の拡大となるものです。そして、日頃の作曲が、いかに自らの作り出した枠の中での出来事であったかに、今更の様に気付かされるのです。
本書を読んでいると、どうしても「こんな音楽の授業を受けてみたかったな」と思ってしまいます。と同時に、初心に返って“音と遊びながら”作曲をしてみよう、という気持ちにさせられるのです。
この本は「読んで欲しいこの一冊」で取り上げています
『音楽をつくる可能性』は、「読んで欲しいこの一冊」コーナーで取り上げています。詳しい内容紹介や作曲コラムが掲載されていますので、ぜひご覧下さい。
関連情報
『音楽をつくる可能性』
ジョン・ペインター 著
出版社:音楽之友社(ISBN:4276311616)
発行日:1994年1月10日
サイズ・価格:284ページ ¥4,500(本体 \4,369)
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本書の目次
- 第1部:音から音楽へ
- プロジェクト1:沈黙から音を取り出す
- プロジェクト2:風の音
- プロジェクト3:音を探す
- プロジェクト4:指からアイデアを得る
- 第2部:音楽的アイデア
- プロジェクト5:発展のためのポイント
- プロジェクト6:メロディをつくるために
- プロジェクト7:音楽的アイデアを発展させる
- プロジェクト8:音楽の文法を新しく考える
- 第3部:思考と創造
- プロジェクト9:新しい耳
- プロジェクト10:統一感とヴァラエティ:12小節から12音へ
- プロジェクト11:音楽の始まりと終わり
- プロジェクト12:音楽を自由に進ませよう
- 第4部:時間構成のモデル
- プロジェクト13:クラシック音楽の構造
- プロジェクト14:音風景にたたずむ音
- プロジェクト15:時はながれても、虹のかなたに
- プロジェクト16:移りゆく位相
著者について
ジョン・ペインター
著者のジョン・ペインターは1931年ロンドン生まれ、イギリスを代表する音楽教育学者、作曲家の一人である。トリニティ音楽大学で学び、数年間小・中学校で教えた後、ヨーク大学で博士号を取得、1969年よりヨーク大学音楽学部で教鞭を取っている。(本書より引用)
次の本:『音楽の認知心理学』
前の本:『バルトークの作曲技法』