北欧の作曲家ラウタヴァーラ
ラウタヴァーラ(Einojuhani Eautavaara 1928- )の交響曲3&7&8、ピアノ協奏曲2&3などを聴く。
NAXOSのサイトには充実した試聴音源が用意されているので、未知の作曲家に出会え便利です。世間の評判を元に探りを入れるもよし、百科事典をランダムに開けるように聴きまわるもよし、です。
そんなわけで、ネオ・ロマンやネオ・シンプリシティ、ミニマルを色々と聴いてみようと、最初はペルトやグレツキ、アダムス辺りの情報を追いながら聴いていたのですが、そうしている内にラウタヴァーラに辿りつきました。
私の不勉強で、このラウタヴァーラは北欧出身の作曲家としては最も著名な方だということを知りませんでした。しかも、響きの世界が結構、というか、かなり好みです。いやはや、もっと早くに知りたかったと思うと同時に、ブームが苦手な私としては「交響曲7番のブームと距離を置けてよかった」と思ったりもして、複雑な心境です。
あと、ネオ・ロマンやネオ・シンプリシティなどの音楽史の流れにおける位置づけのことよりも、ラウタヴァーラの音楽的個人史に興味を惹かれました。
70年代ごろにかなりロマンティックな作風に変わるのですが、初期の作品のセリー“的”な厳しい響きの中にも現在のラウタヴァーラ味のするハーモニーが感じられる辺り、良い意味で頑固な感覚を錬成されてきたのだなと思わせられます。
ちなみに、以前スカルソープの曲を聴いたときにも感じたことなのですが、リリカルであったり個人的なロマンティシズムの表出を感じさせる作曲家を前にすると、その人の作曲の軌跡を辿りたくなります。これはまあ、私の切羽詰った音楽的な自己刷新願望から生じる欲求なのかもしれませんが……。
これを機会に、ラウタヴァーラの他の多くの作品をはじめ、北欧の作曲家の作品に色々と触れてみようと思います。
交響曲第7番「光の天使」/天使と訪れ