DTMの比喩を想う

他愛の無い想像。コンピュータ上で音楽を生み出していく形式(いわゆるDTMやラップトップミュージック)は、例えるならば版画と似ているのではないだろうか。

原盤となる版木にあたるものは、DAW(シーケンサや各種編集ツールの総体としてのコンピュータ)上の情報であり、それを元にした無限の「最初の一刷り」であるミックス後のWAVEファイル(波形データ)が、デジタルコピーを介して流布していくと捉えられないでしょうか。

“版木”に手を入れられるのは、DAWを所有し操作する作曲者だけということです。実際の版画とは違い、何枚刷るかを作者が管理できないが、流通量のレアさが作品の価値には関わらないという点が、デジタル環境ならではという感のするところでしょう。