「作曲発言集」
古今の音楽家たちの「作曲に関する発言」その4
■武満 徹(作曲家)
「自然なものを大事に・・・人間も自然の一部でやっぱり自然・・・自然というよりも、宇宙だよね。もっと宇宙的な仕組み、システムを本来のものに、元々の姿にしとかないと。音楽なんかをやるっていうのは、結局、そういうコスミックなシステムっていうのを恐れる、敬う、尊敬するっていうことだと思うんですよ。まあ、そこまで僕の音楽はいってないけど。その一つの形、形式、音楽はその一つの形。イマジナリーな自然だ」マリオ・A 著:「カメラの前のモノローグ」より
古今の音楽家たちの「作曲に関する発言」その3
■国安 洋(美学者)
「日常では我々は音楽を聴きたいように聴いている。それは個性的であるとして好ましい聴き方ともみなされている。しかし、これも美的享受とは無縁であるばかりでなく、我々の聴体験にとって決して好ましいことではない。聴きたいように聴くことは、聴きたいようにしか聴けないことを意味しているからである。これは耳の硬化あるいは偏向化であり、耳の暴力になりかねない」国安洋 著:「《藝術》の終焉」より
古今の音楽家たちの「作曲に関する発言」その1
■山田 耕筰(作曲家)
「作るのではない。生活から生むというのが私の創作上の信条だ。生むまでの苦心、日一日の精進だ、精励だ、刮目だ。いささかの油断も無い、全く言語に絶えた、真剣な生活そのものだ」千倉八郎 著:「大作曲家があなたに伝えたいこと」より