「作曲を見つめる」

「作曲を見つめる」 第三章:作曲という行為のモデル化

(このページは「第二章:情感の揺れ動き」からの続きです)

最初に「作曲という行為」=「ひらめきを音楽に変換する装置の働き」のことについてまとめておきます。この装置の中身は、音楽に関する技術(音を操る技術。演奏技術、作編曲技術、理論的解釈技術など)と、その技術から生まれた「音」に美的判断(経験則)を加える、主観的な心の働きから成り立つと考えられます。 続きを読む »

「作曲を見つめる」 第二章:情感の揺れ動き

(このページは「第一章:ひらめきについて」からの続きです)

それならば、作曲の技術的な面の習熟に徹していれば、いつかは素晴らしい、本人も周囲も納得のいく作品が出来上がるのでしょうか。しかし、ここには大事な要素が抜けています。それは、自分で作った音楽を聴いているときの、情感の揺れ動きです。そして、その情感の揺れ動きに対して、あなたはどんな価値判断をするのでしょうか。 続きを読む »

「作曲を見つめる」 第一章:ひらめきについて

(このページは「はじめに──」からの続きです)

よく耳にする言葉に、「作曲はひらめきだ」とか「良いメロディーがひらめかない」とか「ひらめくのを待とう」とか、また、「音楽は天からの授かりもの」という様なものがあります。最後の言葉などは、モーツァルトの伝記に出てくる、「完成された形で天から降りてくる」という逸話をイメージされる方も多いのではないかと思います。 続きを読む »

はじめに──

作曲という行為は、作曲者にとっても、また周囲の人にとっても、「なぜそれが出来るのか分からないもの」という風に捉えられることが多い様に思います。作曲においては、他の表現(絵画、造形、演劇等)に比べて「ひらめき(インスピレーション)」が重視される傾向がありますが、これは「作曲行為の不思議さ、分からなさ」の裏返しなのではないかとも思えます。 続きを読む »