ブックレビュー

知的好奇心や学習意欲に応える本を集めてレビュー。評論から専門技術書まで、硬軟織り交ぜて取り上げています。

サブカテゴリー
一般の音楽書
作曲・音楽理論の本
管弦楽法の本
音楽史の本
作曲家が語っている本
「作曲発言集」

レビュー『音楽をつくる可能性』ジョン・ペインター著

本書は、作曲において大切なものに気付き、目を向け、そしてそれを身に付けるために役立つ、具体的なアドバイスや実践法が書かれた稀有な本です。基本的に西洋音楽を土台としていますが、その理念は分野や国籍を超えたものとして読むことが可能です。 続きを読む »

レビュー『バルトークの作曲技法』エルネ・レンドヴァイ著

本書は、バルトークの音楽作品の特徴を「黄金比」「フィボナッチ数列」によって捉え分析を行った研究書です。「弦・打・チェレスタのための音楽」や「ピアノコンチェルト」「ミクロコスモス」など、代表作を譜例を交えて取り上げながら、バルトーク独自の方法論を明らかにしていきます。 続きを読む »

レビュー『管弦楽法』ウォルター・ピストン著

現在出版されている管弦楽法の書籍の中で、入手のしやすさ、内容の充実度、価格面、プラスアルファを考慮した際、まず安心してお勧めできるのが本書です。 続きを読む »

レビュー『コンプリート・アレンジャー』サミー・ネスティコ著

著者は、アメリカの著名なアレンジャーであり、カウント・ベイシー楽団の後期におけるアレンジを手掛けた他、テレビ音楽や映画音楽界の大御所と呼ばれる人物です。それだけに本書はアレンジの実例を挙げながら終始実践的なスタンスで書かれており、編曲における要請に対してどのようなアプローチで解決して行けばよいか、その心構えといったところから書かれています。 続きを読む »

レビュー『実践コードワーク理論編』篠田元一 著

ポピュラー系の音楽理論書の定番と言われる本です。著者の篠田元一氏は、キーボードマガジン誌の連載時代からその音楽理論解説には定評があり、本書はその経験と成果を体系的にまとめ上げた一冊と言えます。 続きを読む »

レビュー『精神と音楽の交響』今道友信 編著

西洋音楽美学の歴史を俯瞰できる構成で編まれた、音楽美学の研究論文集です。編者は今道友信氏で、今道氏は美学解説の名著のひとつ『美について』(講談社新書)の著者でもあります。 続きを読む »

レビュー『音楽美学入門』国安洋 著

本書は音楽美学の歴史とその概要を網羅し、それらへの解説と批評がなされている、今なお優れた入門書でありガイドブックです。著者は本書を指して「音楽美学序説」と呼んでおり、読者はここからそれぞれの“本論”へと進んで行くことになります。 続きを読む »

レビュー『音楽する精神』アンソニー・ストー著

副題に「人はなぜ音楽を聴くのか?」とあるように、本書は音楽と人間との根源的な関わりについて論じた骨太な音楽論です。古くはイデア論からショーペンハウアーを経つつ、新しいところではグリフィスやダールハウス、ランガーなどの論考を参照しながら、音楽を享受する喜びの源のことや作曲という創作の謎に踏み込んで行きます。 続きを読む »

レビュー『音楽して生きたい!』エリザベス・スウェイドス著

作曲家を志す人のための応援歌と呼べる一冊です。著者はミュージカルやオペラなどの分野で活躍し、トニー賞へのノミネート経験もあります。そういった分野で揉まれてきただけあって、エネルギッシュであり、また時にシニカルな視線からのユーモアも感じさせる内容です。 続きを読む »

レビュー『大作曲家があなたに伝えたいこと』千蔵八郎 著

およそ百人に及ぶクラシック音楽界の作曲家の発言をまとめ、それぞれに著者が解説コメントを加えた本です。目次の抜粋をご覧のように、古くはラモーやクープランから、近年ではクセナキスやリゲティ、武満徹に至るまで、作曲家の百花繚乱といった感があります。 続きを読む »

レビュー『作曲家の世界』パウル・ヒンデミット著

ドイツの作曲家ヒンデミットによる、自らの音楽論、作曲論を自伝的な要素も含めつつ書かれた本です。原書は1952年にドイツで出版されたもので、時代背景などの面で古さを感じさせる面もありますが、作曲する者としての思いが書かれたその内容は、大きな価値を持ったものです。 続きを読む »

レビュー『音楽の不思議』別宮貞雄 著

「私は、ただ音楽をつくるだけでなく、同時に、『一体音楽とは何なのか』『自分は何のために作曲をするのか』等々、考えなくてはいられないたちであり、そのような発言をし、また文章に書いてきた」──自らそのように述べる著者による評論集の名著です。 続きを読む »

レビュー『楕円とガイコツ』山下邦彦 著

副題は「小室哲哉の自意識×坂本龍一の無意識」です。両者の作品の譜面とインタビュー記録を豊富に引用しながら、彼らの生み出す音楽の響きの秘密に迫ろうとする、類を見ない奇書です。調性音楽における響きの陶酔性とも言うべき、その感覚的な美質を執拗に追ったドキュメントとも言えるでしょう。 続きを読む »

レビュー『コード・スケール ハンドブック』北川祐著

シンプルな方法論によって合理的にコードスケールを導き出す、その具体的方法が解説されています。この一冊で全てを理解することは難しいですが、ガイドブックとして手元にあると便利なタイプの本です。一般的な音楽理論の学習がある程度進んできた人(コード進行が理解でき始めた人)には、よい副読本となると思います。 続きを読む »

レビュー『ブルー・ノートと調性』濱瀬元彦 著

硬派でクールな音楽理論書、そう言うと怒られるかもしれませんが、本書は理工学書のような紙面構成をもった珍しい理論書であり、その内容も緻密なスケール(音階)検証を重ねて行きながら一つの結論に到達するという、まさに骨太な一冊です。 続きを読む »

レビュー『クラシックを聴け!』許光俊 著

シンプルな語り口で大胆に解説する痛快な一冊です。クラシックを聴き始めたものの、延々と繰り広げられる音の洪水に目を回している人には、うってつけでしょう。特に、ソナタ形式という名前は知っているもののその実感がつかめない人は、この本によってグッと近づけるようになるでしょう。 続きを読む »

レビュー『リディアン・クロマティック・コンセプト』ジョージ・ラッセル著

本書を徹底的に実践しようとすればするほど、そこには「何をしてもいい自由」という恐るべき空間が広がっていることに気付くでしょう。初心者は、本書を一般的な音楽理論書として扱うことは避けるべきだと思います。 続きを読む »

レビュー『現代音楽のポリティックス』C・ウォルフ/L・ノーノ/近藤譲/他著

現代音楽の現場に立つ五人の作曲家(クリスチャン・ウォルフ、ルイジ・ノーノ、ジャン=クロード・エロワ、ヴィンコ・クロボカール、近藤譲)各氏による講義の記録です。各作曲家が自らの作品ないしは、それ以外の音素材を聴衆に聴かせながら、音楽についての問題を提起する内容の講義を行っています。 続きを読む »

レビュー『作曲の基礎技法』アルノルト・シェーンベルク著

作曲を実践する人向けの本です。西洋音楽の作曲の方法、「テーマのつくり方」「伴奏」「各種の形式」などについて、著名なピアノソナタを例に挙げながら細かく説明がなされています。 続きを読む »

レビュー『対位法』下総皖一 著

対位法の学習のための教科書は数多くありますが、本書は「二声対位法に習熟することが最も大切だ」という著者の言葉通り、二声対位法の解説がとても充実しています。 続きを読む »