最近の記事
レビュー『完本・管絃楽法』伊福部昭 著
出版以来、管弦楽法の最高峰としての地位を不動のものとしてきた名著であり、「管弦楽作品を書くためのバイブル」と呼ぶべき本です。自らが管弦楽法の名人でもある著者による内容は、その学者的な探究心と精緻な分析力によって、楽器法の詳説のみならず、音響効果、聴覚に与える影響、心理的効果までもが解説されており、ほかに類を見ない質とボリュームを併せ持っています。 続きを読む »
レビュー『音を投げる―作曲思想の射程』近藤譲 著
「線の音楽」という独自の作曲実践を通じて個性的な作品を発表する傍ら、音楽に対して根元的な問いの眼差しを向け続ける作曲家、近藤譲氏。本書は氏の二十年にわたる期間に書かれた評論をまとめたものです。 続きを読む »
『完本・管絃楽法』他、ブックレビューに追加しました
三賀日も終わり、少し日常が戻ってきたような感じですが、いかがお過ごしでしょうか。
さて、去年の中頃から時間を見付けてはブックガイドに本を追加したりしているのですが、その本をあらためてご紹介しておきます。
『音を投げる―作曲思想の射程』近藤譲 著
『完本・管絃楽法』伊福部昭 著
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レビュー『事典 世界音楽の本』徳丸吉彦/高橋悠治/北中正和/渡辺裕編
「世界音楽の本」という書名を見たときに先ず思い描くのは、ゴスペルやレゲエやラテン音楽、他には中東やアフリカ等々の世界中の音楽について、その音楽的特徴や成立過程の解説と参考音源の紹介がなされた本、各ジャンルの基本情報を網羅した本、といったところではないでしょうか。 続きを読む »
ソフト音源は海外から入手しています
これまで、「楽器を買う」というと、町の楽器屋さんへ出かけて行き、現物を手にしてみて感触を確かめ、そして実際にその場で購入するという流れであり、今でもリアル楽器については何も変わっていません。 続きを読む »
デジタル制作と管弦楽法
言葉の通り、管弦楽法とはオーケストラという演奏集団によって音楽を響きわたらせる数々の経験則・方法ですが、ここではPC/DAWでオーケストラサウンドを用いる音楽制作に限って、その実践や取り組みの姿勢についてざっくりと考えてみます。 続きを読む »
新曲が出来ました。『輝石(きせき)』
この秋、歌手の葉月ゆらさんからコラボレーションのお誘いを頂きました。 発表されておられる作品群をお聴きしたところ、多彩かつ表情豊かで伸びやかな歌声がとても素晴らしく、喜んでご一緒させて頂いた次第です。 そして先日、無事に一曲完成しました。ぜひお聴き下さい。
『輝石(きせき)』 MP3(5.2MB)演奏時間 4分31秒
葉月ゆら(作詞・歌)/ものえ(作曲)
→collabo/kiseki.mp3 続きを読む »
レビュー『音楽を「考える」』茂木健一郎/江村哲二 著
タイトルからは大上段に構えたシリアスな印象を与えますが、実際には平易な言葉によって柔軟で軽妙な対話が繰り広げられており、取っ付き難さはありません。本書が「ちくま新書」としてではなく「ちくまプリマー新書(学生や若年者向け)」として刊行されていることからもそれは伺えます。 続きを読む »
レビュー『西洋音楽史―「クラシック」の黄昏』岡田暁生 著
素晴らしい意欲作です。学問的な精密さや正しさを追及したものや、歴史人物たちの解説に留まりがちな音楽史の本の中で、本書は異彩を放っています。本書では“西洋(芸術)音楽”のことを「楽譜に記録された音楽」として捉えることを通じ、その各時代の社会情勢や社会構造、社会的・文化的階層をしっかりと踏まえ、音楽史の流れを大胆に物語っています。 続きを読む »
ユーリ・ノルシュテインのアニメ作品を観て
ノルシュテイン氏は、『霧につつまれたハリネズミ』や『話の話』など、その詩情あふれるアニメーション世界の深みと繊細さから、数多くのアーティストからリスペクトされているアニメーション作家です。 続きを読む »
新曲が出来ました。『紺碧に浮かぶ想い』
曲名は『紺碧に浮かぶ想い(こんぺきにうかぶおもい)』です。
『紺碧に浮かぶ想い』 MP3(8.9MB)演奏時間 7分47秒
→konpeki_ni_ukabu_omoi.mp3
今回使用した音色素材は、オーケストラ(QLSO Goldを使用)、シンプルなシンセ音、ノイズによるリズムで、いつも同様にPC上で打ち込みと編集を行いました。 続きを読む »
新曲が出来ました&考えごと
曲名は『越後獅子の庭(えちごじしのにわ)」』です。
『越後獅子の庭』 MP3(7.6MB)演奏時間 6分37秒
→echigojishi_no_niwa.mp3
全編にわたって執拗に変奏を続ける三味線パートと、不規則に停滞と変化を繰り返すリズムパート、これらの絡み合いを通じて自分流の時間構成を模索してみた曲です。 続きを読む »
PCとシーケンサを一新(後編)
※このエントリーは、「PCとシーケンサを一新(前編)」の続きです。
シーケンサ(シーケンス・ソフト)はDTM(DAW)環境の土台を成すもので、ことPCで音楽を制作する際には、鳴り響く音楽と自分とを結ぶ、ある意味で鍵盤以上に重要なインターフェースです。 続きを読む »
PCとシーケンサを一新(前編)
さて先月、パソコン(PC)周りの環境を一新しました。これまでも、「もういい加減に新しくしよう」と何度も思いながらも、「これはこれでまだ使えるんだし……」などと先延ばしにしてきましたが、一念発起、遂に一新と相成りました。 続きを読む »
「帰るべき初心」のひとつ
子供の頃に好きだった遊びのひとつに「レゴ・ブロック」があるのですが、今回はその時のことを少し振り返ってみようと思います。 続きを読む »
作曲中の曲と(で)遠足
今日は天気が良かったので、携帯レコーダー(兼プレーヤー)に作曲中の曲を録音し、それを持ってサイクリングへ行ってきました。 続きを読む »
仏つくって魂入れたい
昨今のテクノロジー進歩によって、音楽を形作ることがとても容易になりました。コンピュータ上で音素材の操作と評価というフィードバックを続けることにより、音楽が生み出され得ます。 続きを読む »
「知るを楽しむ」を愉しむ
レコーダーに録っておいた、NHK「知るを楽しむ」を観る。篠田監督が語る武満徹のシリーズ第4回でした。 続きを読む »
PCで作曲する者とっての「楽器」
従来の「作曲(エクリテュール)→解釈・演奏」をPC完結型の音楽(DTMなど)にあてはめてみると、作曲家がエクリテュールを経ずに直接自らを解釈し演奏する、そんな姿を想像することが出来るでしょう。 続きを読む »