作曲・音楽理論の本
レビュー『和声の歴史』オリヴィエ・アラン著
和声はハーモニーと呼ばれ、翻訳すると「調和」となります。本書では和声を機能和声(調性和声)の枠組みだけで捉えるのではなく、調和を表しそれを司るものとして、その歴史を辿ります。本書の言葉を借りれば、音楽の歴史をつらぬく長い線として、和声を見てみようということです。 続きを読む »
レビュー『リズムの法則』ミッキー・アーンショウ著
リズムというものを、時間を区切る「パルスの連続」だと考えたとき、そこには「数」の世界とのつながりが見えて来ます。本書は、二進数の考え方をリズムに持ちこみ、単純なリズムに隠された可能性や、ポリ・リズムへの応用を説いて行きます。 続きを読む »
レビュー『音と音楽の基礎知識』大蔵康義 著
「音(音響)の基礎知識」という内容の本はよく見かけます。「音楽の基礎知識」という内容の本も同様によく見かけます。そんな中、その双方を一冊にまとめ上げたのが本書「音と音楽の基礎知識」です。 続きを読む »
レビュー『音楽のリズム構造』G・W・クーパー/L・B・マイヤー共著
西洋クラシック音楽を対象にしたリズム論の古典的名著です。“リズム”という概念の枠組みを明確にしつつ拡大し、音楽のリズム構造についての理論を体系付ける試みがなされています。実例(最後はトリスタンとイゾルデの抜粋)を取り上げながら分析を進めると共に、作曲におけるリズムの視点にも言及しています。なお、本書は1968年に出版されたもの新訳です。 続きを読む »
レビュー『音楽をつくる可能性』ジョン・ペインター著
本書は、作曲において大切なものに気付き、目を向け、そしてそれを身に付けるために役立つ、具体的なアドバイスや実践法が書かれた稀有な本です。基本的に西洋音楽を土台としていますが、その理念は分野や国籍を超えたものとして読むことが可能です。 続きを読む »
レビュー『バルトークの作曲技法』エルネ・レンドヴァイ著
本書は、バルトークの音楽作品の特徴を「黄金比」「フィボナッチ数列」によって捉え分析を行った研究書です。「弦・打・チェレスタのための音楽」や「ピアノコンチェルト」「ミクロコスモス」など、代表作を譜例を交えて取り上げながら、バルトーク独自の方法論を明らかにしていきます。 続きを読む »
レビュー『コンプリート・アレンジャー』サミー・ネスティコ著
著者は、アメリカの著名なアレンジャーであり、カウント・ベイシー楽団の後期におけるアレンジを手掛けた他、テレビ音楽や映画音楽界の大御所と呼ばれる人物です。それだけに本書はアレンジの実例を挙げながら終始実践的なスタンスで書かれており、編曲における要請に対してどのようなアプローチで解決して行けばよいか、その心構えといったところから書かれています。 続きを読む »
レビュー『実践コードワーク理論編』篠田元一 著
ポピュラー系の音楽理論書の定番と言われる本です。著者の篠田元一氏は、キーボードマガジン誌の連載時代からその音楽理論解説には定評があり、本書はその経験と成果を体系的にまとめ上げた一冊と言えます。 続きを読む »
レビュー『楕円とガイコツ』山下邦彦 著
副題は「小室哲哉の自意識×坂本龍一の無意識」です。両者の作品の譜面とインタビュー記録を豊富に引用しながら、彼らの生み出す音楽の響きの秘密に迫ろうとする、類を見ない奇書です。調性音楽における響きの陶酔性とも言うべき、その感覚的な美質を執拗に追ったドキュメントとも言えるでしょう。 続きを読む »
レビュー『コード・スケール ハンドブック』北川祐著
シンプルな方法論によって合理的にコードスケールを導き出す、その具体的方法が解説されています。この一冊で全てを理解することは難しいですが、ガイドブックとして手元にあると便利なタイプの本です。一般的な音楽理論の学習がある程度進んできた人(コード進行が理解でき始めた人)には、よい副読本となると思います。 続きを読む »
レビュー『ブルー・ノートと調性』濱瀬元彦 著
硬派でクールな音楽理論書、そう言うと怒られるかもしれませんが、本書は理工学書のような紙面構成をもった珍しい理論書であり、その内容も緻密なスケール(音階)検証を重ねて行きながら一つの結論に到達するという、まさに骨太な一冊です。 続きを読む »
レビュー『リディアン・クロマティック・コンセプト』ジョージ・ラッセル著
本書を徹底的に実践しようとすればするほど、そこには「何をしてもいい自由」という恐るべき空間が広がっていることに気付くでしょう。初心者は、本書を一般的な音楽理論書として扱うことは避けるべきだと思います。 続きを読む »
レビュー『作曲の基礎技法』アルノルト・シェーンベルク著
作曲を実践する人向けの本です。西洋音楽の作曲の方法、「テーマのつくり方」「伴奏」「各種の形式」などについて、著名なピアノソナタを例に挙げながら細かく説明がなされています。 続きを読む »
レビュー『対位法』下総皖一 著
対位法の学習のための教科書は数多くありますが、本書は「二声対位法に習熟することが最も大切だ」という著者の言葉通り、二声対位法の解説がとても充実しています。 続きを読む »
レビュー『名曲の旋律学』ルードルフ・レティ著
副題に「クラシック音楽の主題と組み立て」とあるように、西洋音楽の作曲における骨格のひとつである「主題操作」の概念について、豊富な譜例を挙げながら解説された名著です。 続きを読む »
プロジェクト10 「統一感とヴァラエティ:12小節から12音へ」
(このページはプロジェクト9 「新しい耳」からの続きです。詳しくは「読んで欲しいこの一冊」をご覧下さい。)
最後に、『音楽をつくる可能性』プロジェクト10の実践内容の紹介とレビューです。 続きを読む »
プロジェクト9 「新しい耳」
(このページはプロジェクト7 「音楽的アイデアを発展させる」からの続きです。詳しくは「読んで欲しいこの一冊」をご覧下さい。)
続いて、プロジェクト9 「新しい耳」の実践内容の紹介とレビューです。 続きを読む »
プロジェクト7 「音楽的アイデアを発展させる」
(このページはプロジェクト5 「発展のためのポイント」からの続きです。詳しくは「読んで欲しいこの一冊」をご覧下さい。)
続いて、プロジェクト7 「音楽的アイデアを発展させる」の実践内容の紹介とレビューです。 続きを読む »
プロジェクト5 「発展のためのポイント」
(このページは「3.力強い言葉たちに触れてみる」からの続きです。詳しくは「読んで欲しいこの一冊」をご覧下さい。)
ここからは『音楽をつくる可能性』の具体的な実践内容(プロジェクト)についてレビューしていきます。まずはプロジェクト5 「発展のためのポイント」の紹介とレビューです。 続きを読む »
3.力強い言葉たちに触れてみる
(このページは「2.本書の内容と構成」からの続きです。詳しくは「読んで欲しいこの一冊」をご覧下さい。)
ここでは、「音楽をつくる可能性」に収められている“作曲についての言葉”を集めてみました。著者の「静かな自信と熱意」を味わってみて下さい。 続きを読む »