ようこそ“作曲する言葉”へ。

音楽に関する本のレビューと、作曲をテーマとしたコラムを掲載しています。

最近の記事

レビュー『音楽して生きたい!』エリザベス・スウェイドス著

作曲家を志す人のための応援歌と呼べる一冊です。著者はミュージカルやオペラなどの分野で活躍し、トニー賞へのノミネート経験もあります。そういった分野で揉まれてきただけあって、エネルギッシュであり、また時にシニカルな視線からのユーモアも感じさせる内容です。 続きを読む »

レビュー『大作曲家があなたに伝えたいこと』千蔵八郎 著

およそ百人に及ぶクラシック音楽界の作曲家の発言をまとめ、それぞれに著者が解説コメントを加えた本です。目次の抜粋をご覧のように、古くはラモーやクープランから、近年ではクセナキスやリゲティ、武満徹に至るまで、作曲家の百花繚乱といった感があります。 続きを読む »

レビュー『作曲家の世界』パウル・ヒンデミット著

ドイツの作曲家ヒンデミットによる、自らの音楽論、作曲論を自伝的な要素も含めつつ書かれた本です。原書は1952年にドイツで出版されたもので、時代背景などの面で古さを感じさせる面もありますが、作曲する者としての思いが書かれたその内容は、大きな価値を持ったものです。 続きを読む »

レビュー『音楽の不思議』別宮貞雄 著

「私は、ただ音楽をつくるだけでなく、同時に、『一体音楽とは何なのか』『自分は何のために作曲をするのか』等々、考えなくてはいられないたちであり、そのような発言をし、また文章に書いてきた」──自らそのように述べる著者による評論集の名著です。 続きを読む »

レビュー『楕円とガイコツ』山下邦彦 著

副題は「小室哲哉の自意識×坂本龍一の無意識」です。両者の作品の譜面とインタビュー記録を豊富に引用しながら、彼らの生み出す音楽の響きの秘密に迫ろうとする、類を見ない奇書です。調性音楽における響きの陶酔性とも言うべき、その感覚的な美質を執拗に追ったドキュメントとも言えるでしょう。 続きを読む »

レビュー『コード・スケール ハンドブック』北川祐著

シンプルな方法論によって合理的にコードスケールを導き出す、その具体的方法が解説されています。この一冊で全てを理解することは難しいですが、ガイドブックとして手元にあると便利なタイプの本です。一般的な音楽理論の学習がある程度進んできた人(コード進行が理解でき始めた人)には、よい副読本となると思います。 続きを読む »

レビュー『ブルー・ノートと調性』濱瀬元彦 著

硬派でクールな音楽理論書、そう言うと怒られるかもしれませんが、本書は理工学書のような紙面構成をもった珍しい理論書であり、その内容も緻密なスケール(音階)検証を重ねて行きながら一つの結論に到達するという、まさに骨太な一冊です。 続きを読む »

レビュー『クラシックを聴け!』許光俊 著

シンプルな語り口で大胆に解説する痛快な一冊です。クラシックを聴き始めたものの、延々と繰り広げられる音の洪水に目を回している人には、うってつけでしょう。特に、ソナタ形式という名前は知っているもののその実感がつかめない人は、この本によってグッと近づけるようになるでしょう。 続きを読む »

レビュー『リディアン・クロマティック・コンセプト』ジョージ・ラッセル著

本書を徹底的に実践しようとすればするほど、そこには「何をしてもいい自由」という恐るべき空間が広がっていることに気付くでしょう。初心者は、本書を一般的な音楽理論書として扱うことは避けるべきだと思います。 続きを読む »

レビュー『現代音楽のポリティックス』C・ウォルフ/L・ノーノ/近藤譲/他著

現代音楽の現場に立つ五人の作曲家(クリスチャン・ウォルフ、ルイジ・ノーノ、ジャン=クロード・エロワ、ヴィンコ・クロボカール、近藤譲)各氏による講義の記録です。各作曲家が自らの作品ないしは、それ以外の音素材を聴衆に聴かせながら、音楽についての問題を提起する内容の講義を行っています。 続きを読む »

レビュー『作曲の基礎技法』アルノルト・シェーンベルク著

作曲を実践する人向けの本です。西洋音楽の作曲の方法、「テーマのつくり方」「伴奏」「各種の形式」などについて、著名なピアノソナタを例に挙げながら細かく説明がなされています。 続きを読む »

レビュー『対位法』下総皖一 著

対位法の学習のための教科書は数多くありますが、本書は「二声対位法に習熟することが最も大切だ」という著者の言葉通り、二声対位法の解説がとても充実しています。 続きを読む »

レビュー『名曲の旋律学』ルードルフ・レティ著

副題に「クラシック音楽の主題と組み立て」とあるように、西洋音楽の作曲における骨格のひとつである「主題操作」の概念について、豊富な譜例を挙げながら解説された名著です。 続きを読む »

レビュー『音楽の霊性』ピーター・バスティアン著

音楽という不思議な体験をスピリチュアルに描いた音楽書です。著者の体験から導き出された言葉の数々が穏やかな余韻を与えます。音楽家の心に寄り添うような読書体験をしたい人におすすめです。 続きを読む »

レビュー『ポスト・テクノ(ロジー)ミュージック』久保田晃弘 監修

コンピュータテクノロジーと音楽表現の関係に関心のある人向けの本です。具体的な技術や方法論の解説というよりも、各方面の実践者や評論家による考察や批評がメインとなっており、読み物としての傾向の強いものになっています。 続きを読む »

図書館の底力を味わう

私は、読書や資料探しや気分転換などに図書館をよく利用します。県の図書館政策が盛んなお陰で、今までに色々な絶版本や趣味性の高い本を読むことが出来ました。どうも、県民一人あたりの年間貸し出し冊数が全国トップクラスらしく、どちらが鶏で卵なのかは分かりませんが、一度に借りられる冊数も10冊三週間という嬉しいものになっています。 続きを読む »

プロジェクト10 「統一感とヴァラエティ:12小節から12音へ」

(このページはプロジェクト9 「新しい耳」からの続きです。詳しくは「読んで欲しいこの一冊」をご覧下さい。)

最後に、『音楽をつくる可能性』プロジェクト10の実践内容の紹介とレビューです。 続きを読む »

プロジェクト9 「新しい耳」

(このページはプロジェクト7 「音楽的アイデアを発展させる」からの続きです。詳しくは「読んで欲しいこの一冊」をご覧下さい。)

続いて、プロジェクト9 「新しい耳」の実践内容の紹介とレビューです。 続きを読む »

プロジェクト7 「音楽的アイデアを発展させる」

(このページはプロジェクト5 「発展のためのポイント」からの続きです。詳しくは「読んで欲しいこの一冊」をご覧下さい。)

続いて、プロジェクト7 「音楽的アイデアを発展させる」の実践内容の紹介とレビューです。 続きを読む »

プロジェクト5 「発展のためのポイント」

(このページは「3.力強い言葉たちに触れてみる」からの続きです。詳しくは「読んで欲しいこの一冊」をご覧下さい。)

ここからは『音楽をつくる可能性』の具体的な実践内容(プロジェクト)についてレビューしていきます。まずはプロジェクト5 「発展のためのポイント」の紹介とレビューです。 続きを読む »